将来のための一敗。●中日4-5X広島あのフレッシュマンが、早くもスタメンマスクを被った。
昨秋の大社ドラフトで東洋大から1巡目指名で入団した
田中大輔である。
通常、キャッチャーはポジション柄成長に一定期間を必要とするため、
ルーキーイヤーは二軍で体力作りと基礎トレに専念するケースがほとんどだ。
思えばここ数年、毎年のようにドラフトで社会人卒の捕手を獲得したものの、
結局今日まで谷繁の牙城をほんのわずかでも崩せた選手は皆無であった。
しかし、田中はそんじょそこらの若手捕手とは一味も二味も違う。
二塁までのスローイングが1.8秒台(谷繁でさえ2.0秒台)という抜群の数字が物語るように、
田中は「超」が付くほどの
ド強肩の持ち主なのである。
まさに将来の正捕手"候補"ではなく、正捕手になる事が"義務付けられている"男。
ファームでも開幕後からすぐに正捕手として起用されるなど、英才教育を受けてきた田中が、
優勝争い真っ最中のこの時期に、サプライズ先発出場を果たした。
これは二軍でバッテリーを組んできた先発投手の吉見との相性を考慮しての起用だとは思うが、
少なからず落合監督の中に「将来捕手の育成」という意図があった事は否めないだろう。
さて若手バッテリーのお試し的な意味合いを含めて始まった試合は、
戦前の予想通り吉見がカープの一発攻勢に泣き、5回で降板。
その後、久本→鈴木→クルスの粘り強い継投が実り一旦は同点に追いついたものの、
10回裏に平井が力尽き、二戦連続の逆転勝利とはならなかった。
だが8回までマスクを被り、計4人の投手をリードした田中は、
序盤に二本のHRで取られた4失点のみに抑えたという点では充分評価に値するだろう。
むしろ問題なのは、9,10回のわずか2イニングにマスクを被ってサヨナラを許すばかりか、
打者としても10回表の好機で併殺に倒れた谷繁である。
谷繁ファンの方には申し訳ないが、田中にそこそこ目処が付くのなら、
今後は田中優先の起用を続けるべきなのではと私は考えている。
確かに今夜の内容を見ても分かるように、田中は打撃面ではまだまだ三流同然だが、
せいぜい.250で伸びしろもない谷繁よりは、未来の希望があるだけ遥かにマシではなかろうか。
まぁ無いとは思うが、落合監督の大英断を望みたいところである。
さて谷繁ばかりを攻めるのも如何なものかと思うので、
最後にひとつ、谷繁を弁護しようと思う。
10回裏二死二塁から、新井の中前打で走者・栗原が生還した場面。
捕殺狙いのセンター藤井から帰ってきた矢のような送球は・・・、
流れ星となって、地面に落ちた。うん、さすがにこれは、谷繁は全然悪くねぇや。
(画像の左上、白い棒みたいなやつが送球)。
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