イレコミ!ドラゴンズ

黄金期の軌跡を形に残しときたくて削除せず放置してます
[中日ドラゴンズ] [スポーツ]




スナック信子


名古屋の場末に佇む一軒のスナック「信子」。
そこには疲れた身体の男たちが、
心のオアシスを求め、日々訪れるのだという。

おやおや、今夜もお客さんがやってきたようだ。
絵もない花もない歌もない飾る言葉も洒落もない、
そんなスナックでの夜の物語、とくとご覧あれ――。



~第五夜・森野、涙目で語る決意~



 「ちわーっす」


 「あら、いらっしゃい。飲み物、何にする?」


 「・・・水割りをください、涙の数だけ」


 「涙の数だけって、あんたどうしたのよ、昔の一発屋みたいなこと言って」
         「不動のレギュラーらしくない弱音ね」


 「いやぁ、もうね、疲れちゃったんですよ、さすがに」


 「ポジションのこと?」


 「えぇ。だって、ボクはもともと三塁手なんですよ。それなのに・・・」


 「去年は本当にお疲れ様だったわね。今年もまたコンバートなの?」


 「はい。和田さんが来たんで、多分センターを任されるかと・・・」


 「センターって、あんた外野の要じゃない!出世よ、出世!」


 「そう言ってもらえると嬉しいんですけどね、ボク、元々はそんなに守備うまくないでしょ・・・」


 「まぁ、パワプロで言えばよくてもDってとこよね。特に外野となると」


 「そのボクが、おととしまでアレックスが守ってたポジションを任されるなんて、荷が重いですよ・・・」


 「・・・なるほどね」


 「おまけに監督が、外野でボクの枠だけ"競争"とか言ってるし・・・」
         「正直、プレッシャーとストレスとで参りそうですよ」


 「確かに、あんたは守備がうまくはない。センターもアレックスと比べれば雲泥の差よね」


 「・・・はい」


 「でもね、物は考えようって言うでしょう」
         「センターっていうのは、アレックスのポジションであったのと同時に・・・」




                    

 ビョンギュのポジションでもあったのよ」


 「!!」


 「そう考えれば、あんたなんて、クッション処理できるだけでもマシでしょう」


 「た、確かに!前任者のことを考えると気が楽になってきました!」


 「あ、でもその前任者は左隣に配置転換になったみたいだから、くれぐれも仲良くするのよ」


 「右隣がハゲで、左隣がビョンギュかよ!初々しさのカケラもない!」


 「何言ってんの。あんただって間もなく三十路でしょうに」



こうして夏にも三十を迎える森野将彦は、再び自信を取り戻したのであった。
監督の「競争」宣言は、期待しているからこその厳しさである。頑張れ!森野!

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