イレコミ!ドラゴンズ

黄金期の軌跡を形に残しときたくて削除せず放置してます
[中日ドラゴンズ] [スポーツ]

 




真・勝負の年




 団2年目から、新井は毎年のように「勝負の年」と言われている。兄譲りの打撃センスを見れば期待が大きいのも無理はない。しかし、入団から3年を経て未だ一軍実績は皆無に等しく、定位置のファーストには福田、ブランコなど年々ライバルが増える一方だ。26歳という年齢もネックになる。一般企業なら「これから」という年齢も、プロ野球の世界では既に中堅。この時期に頭角を現わせない打者は、往々にして夢半ばで道を断たれるものだ。それでも新井への期待が大きいのは、一軍で代打起用された際に時折放つ「もうひと伸び足りない飛球」が、我々に夢を見せてくれるからだろう。周知の通り、昨季のファームにおいて新井は首位打者と最高出塁率のダブル受賞を果たした。つまり、既に二軍のレベルは超えているのだ。となれば、次は一軍の壁を破る段階なのだが、どうしても「もうひと伸び」が足りず、いつもギリギリで阻まれてしまう。いったか!?と思わせる飛球が、フェンス際でキャッチされ天を仰ぐ。こんなシーンを、もう何度見てきたことか。原因は分かりやすく、一軍レベルの投手の球威をスタンドへ運ぶだけのパワーと技術が不足しているからだ。技術は一朝一夕で補えるものではないので仕方ないとして、パワーは練習方法次第で幾らでもアップすることが可能である。そこで新井は、自主トレで徹底的に身体を鍛えたそうだ。その結果、見た目にも分かるほど一回り身体が大きくなり、フリー打撃でも快音を連発している模様。スラッガーになるのを期待されて入団した野手がウェイトを増量し、長打を狙いに行くのは自然の成り行き。そのためには、筋トレで力を付けるのが一番の近道であるのも当然である。あとは豪快なスイングを武器に、記念すべきプロ1号を狙いにいくだけ。だが、これだけはっきりと新井ブレイクの青写真は示されているというのに、どういうわけか私は新井に不安を抱いている。なぜか。答えは漫画「ドラゴンボール」のセル編にあった。
 
 完全体になったセルを倒すべく、トランクスは過酷な修行を経て筋肉モリモリのボディへと変貌し、その時の戦闘能力は、なんと父親であるベジータをも遥かに凌ぐものであった。しかし、トランクスはあっさりと敗れ去る。誰にも負けないパワーを手に入れたにも関わらず、だ。絶望するトランクスに、セルはあまりに非情な言葉を投げかける。「こんなパワーアップのためだけの変身ではなにも生み出せない……バカだおまえは……」。そう、トランクスは確かにセル以上のパワーを手にした。だが、パワー偏重があだとなり、肝心のバランスを失ってしまっていたのだ。これは全国のちびっ子達が、見た目の力強さだけが真の力でないことを教訓とした本作の名シーンである。道徳で習うヘタな感動話よりも、こちらを教科書に載せた方がためになる気がしてならない。 

 さて、このままセル編のおもしろさを語っていたいところだが、話題を新井に戻さなければ記事の意味がなくなってしまう。新井がどれだけパワーアップしても、元々の腕力が違うブランコやデラロサには勝ち目がないので、長打自慢ではいつまで経ってもレギュラーを取れないだろう。もっとも、村田修一のように極端な強打者体型ならともかく、どちらかと言えば細身の新井には長距離打者として限界があると思う。おまけに致命的な弱点として、守備の粗さまで兄貴の性質を譲り受けてしまっているのが痛い。ならば、その打撃センスをどう活かすべきなのか。簡単である。端からレギュラーを目指さず、とりあえず代打の切り札を目標に据えれば良いのだ。前切り札の高橋光も、切り札候補だった中村紀も移籍で去った。気付けば現在、右打者の切り札ポストがガラ空きである。代打のポジションであれば、雇用体制の不安定な外人が定着する可能性も低く、自ずと日本人が座るケースが多い。もちろん、代打で結果を残せればレギュラーを狙いにいけば良い。しかし現状ではポストが限られるため、あくまで前段階として代打業を務めると考えれば、将来へのモチベーションにも繋がるのではないか。どうだろう、こんなに新井の特性にマッチしたポジションが他にあるだろうか。近年、プロ野球の選手寿命はどんどん伸びている。まずは代打屋稼業で心技体を鍛え、そこからレギュラー取りに挑戦するのも、新しい育成のパターンだと思うのだが・・・。
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