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目醒まし時計




 川裕貴は、一言でいえば整理対象選手の筆頭候補だ。地元の中京高からドラフト1位で入団したのが2003年の秋のこと。いつまでも若手のイメージが付きまとうも、立派なプロ6年生。だがこの6年間、中川はプロとして何一つ期待に報いることができなかった。いや、結果を残す云々以前の段階にすら到達していない。有り余る才能を阻むのは、決してプロの壁ではなく、怪我、怪我、怪我。中川は、いつも怪我に悩まされてきた。プロ野球選手・中川裕貴の6年間は、怪我の歴史と言っても過言ではない。もちろん偏に怪我と言っても、防げる怪我と防げない怪我があり、中川のそれがどちらなのかは、ドクターでもなんでもない私にはよく分からないが、「怪我は言い訳にはならない」との意見を採用すれば、中川は所詮はそれまでの選手である、ということになる。第一、入団以来ろくに働いていない選手など、普通ならばせいぜい4年も面倒を見れば簡単に首を切られるものだ。それこそアルバイトの学生が、教えられた通りの要領でパックの刺身にたんぽぽを添える工程のように、プロ野球選手なんていとも簡単に解雇されるのだ。それが6年目のチャンスを与えてもらっているだけで、あるいは奇跡的なのかもしれない。しかし見方を変えれば、6年目を与えてでも、もう少し見ていたい魅力が中川裕貴にはあるということになる。長打力にせよ、巧打力にせよ、守備力にせよ。そして中川裕貴は、12球団を代表する二遊間・井端と荒木の両者から恐れられている、おそらく球界唯一の選手でもある。確か2年くらい前だったと思うが、井端が中川のことをえらく褒めており、意外に感じたことがあった。すると今度は荒木が、「こいつがいつか内野に戻ってきたら、オレも危ないんだよなあ」と最大限の讃辞を贈っている。こうなれば、嫌でも中川に期待せざるを得なくなる。そして8日の紅白戦、中川裕貴はホームランと3ベースを放った。6年寝たら、そろそろ起きたって誰も文句は言わない。中川の才能は、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返し、ようやく覚醒を迎えつつあるようだ。
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この記事のURL | 2009.02.09(Mon)23:56 | 中川裕貴 ※ | Comment : 00 | Trackback : 00 | 


 
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