○1x-0阪神 あっけない幕切れと言えばそれまでだが、果たしてそれだけで片付けられるような内容だったろうか。
ブラゼルがよりによってあの場面であんなエラーを犯したことについては、100人中100人がズッコケたに違いない。
しかし、である。野球にエラーやミスは付きものであり、それが「たまたま」あの場面で出たというだけのことで、試合
全体を振り返れば幾度ものピンチをことごとく切りぬけた時点でかなりの確率で中日に分があったように思える。
終盤までスコアレスドローというと大接戦かのように見えるが、実はこの手のパターンは11度サヨナラを記録している中日に
とってはお手のもの。いつの間にか阪神はナゴヤの「パターン」に嵌っており、遅かれ早かれ負ける運命にあったのだ。
そして決定的に流れが向いたのは5回のマートンの飛球を阻んだ、野本のあのビッグプレイ。
勝負どころであのプレイが出る中日と、同じく勝負どころであのエラーが出てしまう阪神。
両者の野球の質の差がはっきりと分かれた対照的なプレイであった。
対照的といえば、今日の試合では勝利に対する両軍監督の「意識の差」もずいぶん気になった。
2006年10日10日、あの伝説の優勝決定試合で人目も憚らず号泣し、試合中ながらT.ウッズと抱擁を交わした夜。
今日はあれ以来、実に約4年ぶりに試合中に感情をはっきり表情に出す落合博満を見た。
画像では分かりづらいのが残念だが、9回裏の森野の安打で藤井が三塁まで走れなかった瞬間、落合は身を乗り出して顔を
しかめた。試合中、ワンプレイに対してこういうリアクションを取る落合はめったに見られない。
そしてバッターボックスに向かう堂上剛に対しても、わざわざ一旦引きとめてアドバイスを送る。
私はこの二つのシーンを見て、
「遂に落合がガチで勝ちにきた!」と確信した。
使えない外人は早めに切り捨てたり、不動のレギュラーをきっぱり諦めたりと、ここ数年に無く今季の落合が勝利に対して
貪欲であることは薄々感じてはいたのだが、ここにきての落合は先日の暴言退場も含め、明らかに気迫が違ってきている。
対して真弓明信は今日の試合を本気で勝ちにきたと言えるだろうか。
9回二死無走者、守備固めで出したはずの藤川俊に代えて金本を起用した真意はどこにあるのか。
もし、万が一、「裏にサヨナラ負けしたら連続出場の記録が途切れるやん」というお粗末なものであったなら―、
言っちゃ悪いが阪神にペナントを勝ちとる権利はないと思う。
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